チョバチョバ - coba-coba indonesia

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162日目 彼にとっての"日本語のせんせい"

mknesia18-19.hatenablog.jp

 

こちらの記事を覚えていますでしょうか?

読んだことない、あるいは、覚えていない方、まずはこちらを読んでください。

 

 

今回は、この話の続編になります。

 

 

 

 

1月下旬に、MGMP(日本語教師会)がありました。

 

その時に、ある先生が1人私に近寄ってきました。

トンダノの先生。

 

「先生、来月の下旬、学校にきてくれませんか?」

 

そうだ、そうだ、私は1月に来てくれと生徒(彼 : 10月に魚をくれた生徒)から言われていたんだった。

 

「彼がずーっと、先生のことを待っているんです。」

 

彼との約束を破るわけにはいきません。

日本語のせんせいとして、必ず叶えると誓いましたから。

 

 

 

自分の派遣校の先生方、そして校長先生から許可をいただき、2月下旬に、彼の学校にお邪魔しました。

 

初めての日本人。NP(日本語パートナーズ)のいない学校です。

 

学校全体がとてもウェルカム状態で待っていてくれました。

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校長先生をはじめ、先生方、そして生徒によるコリンタン(北スラウェシの楽器)の演奏。とても嬉しいです。同時に、緊張してはるのもわかりました(^_^;)毎回そうです。会って早々緊張していない人はいません。特に外国人相手だと緊張しますよね。

 

すると、女性が1人、私のところへ寄ってきました。

 

「先生、お会いしたかったです。本当にありがとうございます。」

 

なななんと、彼のお母さん。

 

「お母さん!魚美味しかったです!本当にありがとうございました!」

 

直接、お伝えできたのは嬉しかったです。数分のために、学校に来ていただいたそうです。感謝です(´;ω;`)

 

 

2クラスで授業をしました。

1クラス目が終わり、2クラス目へ移動する時に、例の彼が迎えに来てくれました。

 

なななんと、丸坊主になっていました。

「え、前会った時は、もっと髪の毛長かったよね?」

と聞くと、

「せんせい、ハゲになりました、僕は髪が長かったですから、先生に切られました。」

おいおい、nakal(いたずらっ子)かい!笑

インドネシアの高校の多くでは、男子生徒は、髪が長かったら先生に切られます。昔、多くの日本の学校でもありましたよね?

そして、もう一つ驚いたこと。それは、日本語がペラペラになっている...!この彼のセリフは、彼が言った言葉そのままです。"切られました" と、受け身が使えてるのも、すごい.....!!

「日本語ペラペラだね〜」

「いえいえ、まだまだです。」

謙遜も言える....!

「せんせい、次(のクラス)は気をつけてくださいね、みんな、やんちゃですから。」

そうなの〜!?!

と彼の言葉を半信半疑で聞いていましたが、まぁ彼の言葉通りだったかもしれない(笑)

 

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学校でお昼ご飯をいただき、先生方と談話し、帰宅することに。

「せんせい、本当にありがとうございました。せんせいは来てくれると思っていました。」

信じてくれてたのは、嬉しいな。それにしても本当に日本語上手になった。感動。

「俺、とても嬉しかった、あ、違う、めっちゃ嬉しかったで。」

私が関西出身ということ、覚えてくれてたんやな( ̄▽ ̄)笑

「先生もめっちゃ楽しかったわ、おおきに、ありがとう」

関西弁サービスをしておきました(笑)

 

それから一週間後。

マナド で、「日本語コンテスト」がありました。

日本人が読む文章を聞いて、文字に起こすというコンテスト。

以前、委員会の方から、協力依頼をいただいていたのですが、その日、派遣校でのラスト授業。どうしてもラスト授業は外せないため、お断りしました。

私以外のNPは全員参加されたそうです。

 

その日の夜。

トンダノの先生からメッセージが来ました。

 

 

 

「先生、彼が優勝しました。」

 

 

 

えええええええ

すごすぎる......!!!!!

「先生は、なぜいませんでしたか?」

と。歓喜の瞬間に立ち会えなかったのは、残念ですが・・・云々と、送りました。

 

すると、彼からメッセージが。

「さっき、先生を探したのに来なかったよな」

 

SNSになると、語尾が友達調になる彼(笑)

 

「先生は学校に行っていました。見たかったなぁ〜」

 

と送りました。

 

「先生がいると、俺は嬉しくなる。終わったから仕方がないね。先生、すぐに日本に戻るからね(涙)いつか日本で会おう。これからも日本語の勉強を頑張る。」

 

と返事が。

 

「先生もインドネシア語の勉強を頑張ります!」

 

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トンダノの風景。